大阪で活動する爽やかな3ピースバンド「AiueO」さんのMVを作成させていただきました。
完成したのはこちら。

春に聞きたい歌詞

「Hello March」は歌詞の中に「花曇り」という言葉が出てきますが、あまり聞いたことがなかったので調べてみました。

”桜の花の咲くころの、薄くぼんやりと曇った空模様。”

という意味らしいです。
花を咲かせる時期もすぎたのに、ずっと曇ってくすぶっているだけという心境を「春が終わっても 相変わらず僕花曇り」という歌詞で表しているんだなと納得しました。
春の爽やかさだけでない面も知り、歌にしたんだなと思うとより味が出てくるな…と感じました。
心が澱んでいても、季節は巡ってまたやってくるし周りを気にせず前に進もうという優しく力強い楽曲です。
是非聞いてみてください。

MusicVideoの引き出しを増やす

このMVの構成は、AiueOさんから細かくイメージして持ってきてくださり、最初に見せていただいたのがビデオコンテだったので「これは…できる…！」と動画制作関係者のお仕事の空気を感じて少しドキドキしました。
皆さんの期待に応えるべく私は撮影に耐えうる腕を求めて筋トレを……してないですが、爽やか系MVを見あさり、画角やカメラワークを調べました。
これはデザインに関してもそうですが、自分の引き出しにないものは表現もアレンジもできないので、まずは「知る」ことを大切にしています。
それをどうやって再現するのか、なども参考を見ながら考えたり試したりしつつ、当日自分がテンパらないための準備をしました。
最終的にそれが本当に実現できるのかどうかは自分の習熟度にもよりますが…。

撮影の日はいい光が差し込む暖かい日

撮影の日は2月中旬にしてはとてもあたたかく良い天気で、トレンチコートを着て行って後悔しました。
前日に機材の準備は入念にしたものの、持てば重いわスタジオにつく前から汗ばむわでなかなかなスタートでした。
撮影に大荷物はつきものですし、毎回記憶を失っていて「これくらいなら持てる！」と思いがちなのでいい加減車の免許を取った方がいいのではないかと毎回思います。
しかし道端を向かいから歩いてくる人と同じ方向によける可能性が80%くらいある身としてはやめておいたほうがいいよなと思って結局徒歩で運びます。

朝いちばんにスタジオに集まり、室内カットを撮影しました。
想像通りにいかない箇所は相談してブラッシュアップしつつ、よりよいものをつくりあげていけたと感じています。
時間によって変わっていく光の差し込み方に全員で大盛り上がりしてシャッターを連写したり、
明らかにおかしなポーズを指示をして微妙な空気になったりと、ワイワイしながら時間ギリギリまで出来るだけ沢山撮影を行いました。

堺の大泉緑地に移動しメインの演奏シーンを撮影。
こんなに広い公園（？）があったなんて、大阪に住んで28年間全く知りませんでした。
広くてのどかで、こどもや犬が走り回っているような、家の近くにひとつは欲しい理想の場所です。

めちゃくちゃしっかりしたライブハウスの機材を借り出していたので、そこで野外ライブもできそうなセットにワクワクしつつ、寄ったり引いたり走り回りながら、何度となく演奏をしていただきました。おそらく10回はいっていたのでは…。AiueOの皆さんは終止笑顔でたびたび演奏をお願いしても快く了承してくださり、ありがたかったです。

撮影しながら、通行人の方に話しかけていただいたりもしつつ、その日のうちになんとか終えることが出来ました。
いつかここでフェスとかできたらめちゃくちゃいいよねみたいな夢を話しながら帰路につきました。
この日は芝生の上を走り回りまくり、帰りに送ってもらった車内では、
小さい頃、遊び疲れて寝てしまった帰りの後部座席のような気分で心地よく寝落ちしました。

全力で調べて、全力で身体を動かし、冗談を飛ばしつつ雑談をし、5分でおにぎりを詰め込み、また撮影をする。
みたいな現場は、充実感があって割と好きです。
いつも自分の力不足を感じてばかりですが、いつかまたご依頼いただけたら期待を超えるものを作れるように着実に上手くなっていきたいと思えるお仕事でした。

AiueOのみなさん、またよろしくお願い致します。

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